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幕末編の人間の敵のステータスの検証

幕末編は他のシナリオと異なり、見た目や能力値が同じように見えて名前が違うという敵(人間キャラ)がいる。
幕末編攻略 > 敵名称一覧にて紹介しているので、ご一読いただきたい。
更に、SFC版においては、同じ種類の敵の場合、2体目以降はステータス(力・速・体・知)が+1ずつ強化されていくとのことである(世界の合言葉は森部 new window様の、「その他メモ」内、「幕末編の名前が変わる敵」の項目を参照)。
リメイク版でも同じことが起きているのかはわからない。
また、SFC版もそうだったが、普通にプレイしていて、敵の強さが変化しているかどうかと聞かれたら、よくわからない、というのが正直な感想ではないかと思う。
敵を倒すことでおぼろ丸もレベルアップなどで強化されていくため、味方側の強さが一定の条件で比較しない限り、敵が強くなっているのかは判断できないからである。

敵のステータスの中で、プレイヤーがゲーム画面にて確認可能なのはHPだけであり、例えば(やっこ)のHPは常に38であり、弱点・耐性属性、落とすアイテムなど、何番目の(やっこ)であっても変わらない。
それ以外のステータスの値は確認不可であるものの、もし敵のステータスが少しずつ上がっていくのであれば、味方のステータスが同一である場合、敵に与えられるダメージは少しずつ下がっていくだろうし、敵からのダメージ量は少しずつ増えるのではないだろうか?

ということで、ここでは以下のような検証を行ってみた。
幕末編で0人斬り用に用意した体験版のセーブデータがあるのでそちらを流用している。このセーブデータを製品版に引き継ぎして以下を検討した。
おぼろ丸が天守に入る前、魔神竜之介を撃破してレベル10(経験値は0/100の状態)まで上げたデータを元とする。詳細なステータスは以下の通り。

おぼろ丸
レベル10HP268
攻撃40防御9
物攻38素早さ74
物防36命中20
特攻59回避21
特防42
装備
ちょんまげ
武器村正
忍びの手甲
鎖帷子
水神の足袋

レベル10のキャラは、浪人・藩士・強藩士らを倒しても、一度の戦闘で経験値を5しか得られないので、彼らを19体倒すまではレベルアップしない。
そこで今回は、全10体いる強藩士について、1体目(名称は「三船 二郎左」)と、10体目(名称は「時田 獣神丸」)との戦闘を行い、おぼろ丸が「手裏剣乱糸」を当てた時のダメージ量を記録してみることにした。
1体目と2体目の比較では差がわかりにくいだろうから、目に見えてわかりやすいであろう、1体目と10体目の比較を行っている。
強藩士を9体倒してもおぼろ丸はレベル10のまま、つまりステータスには一切変化がないので、強藩士1体目との戦闘、10体目との戦闘、どちらもおぼろ丸のステータスは同一である。
もし強藩士の強さが変化しないのであれば、「手裏剣乱糸」の平均ダメージ量も同一のはずである。
これまでの検討の通り、ダメージ量には±20%のブレがあるので、とりあえずは「手裏剣乱糸」を10回当てて1Hit毎のダメージ量を記録することにした。当てる位置は強藩士の真正面2マスで統一している。
以下、空欄部分は攻撃がヒットせずミスした部分(右端にHit数も明記した)。

強藩士1体目(三船 二郎左)

No.ダメージ量Hit数
123456合計
167506762522985
24862581683
3484550642074
45065616655593566
567596059623075
65058566563623546
7525751602204
847494954672665
949615057552725
106252666664533636
平均ダメージ量Hit数
1Hitあたり合計
57.37281.14.9
最大67363
最小45168
最大÷最小1.49

強藩士10体目(時田 獣神丸)

No.ダメージ量Hit数
123456合計
14842411313
2445354582094
348515654462555
453564760422585
55743581583
642581002
7585348452044
8545658572254
950454247422265
105449491523
平均ダメージ量Hit数
1Hitあたり合計
50.47191.83.8
最大60258
最小41100
最大÷最小1.46

以上が生のデータであるが、並べて比較した方がわかりやすいであろうから、下に整理しておく。

ダメージ強藩士1体目強藩士10体目
平均57.3750.47
最大6760
最小4541
最大÷最小1.481.46
Hit数平均4.93.8

ダメージ最大÷ダメージ最小は、これまで通りにほぼ1.5程度。よって、おそらく最大値と最小値に近い値を計測できている、と思われる。
その前提で見比べてみると、ダメージ量には明らかな違いがある。
強藩士10体目に与えたダメージ量の方が小さいということは、強藩士10体目の方が、強藩士1体目よりも強い、ということになる。
上は1Hitあたりのダメージ量で比較しているが、実際には「手裏剣乱糸」は最大6Hitであるから、更に差が出る。
「手裏剣乱糸」の被ダメージ量については、攻撃を受ける側の「物防」と「素早さ」が関与しているようである、ということは、向き補正の検証のおまけ部分に掲載した通り。
つまり、強藩士を倒した人数分だけ、「物防」か「素早さ」、あるいはその両方が上がっているのではないか? という推測ができる。
どのステータスが上がっているのかまではわからないが、リメイク版でもSFC版同様、同じ種類の人間の敵は、倒した数だけステータスが上がっていく可能性が高い。
力・速・体・知に対応した物攻・物防・特攻・特防・素早さが上昇するのであろうか。

また、SFC版では上がるステータスが力・速・体・知の4種類であったが、今回の結果を見る限り、Hit数も変化しているので、敵の回避の値も上がっている可能性がある。
強藩士のHPは208だが、強藩士10体目になると、弱点属性を突く攻撃であるはずの「手裏剣乱糸」でも一撃で倒せないことがあった。これはHit数が減少していることが大きく影響している。

結果として、確かに敵は少しずつ強化されているようではあるのだが、今回の検証の通りに、1体目と10体目に与えたダメージ量の違いは、元々のダメージ量のブレ±20%の範囲とかなり被っている。
細かく数値を書き出して見比べない限り、敵が強くなっているのかどうか、ほぼ実感できない。
どちらかといえば、明らかに命中率が下がっていることの方が実感できた。だがこれも、セーブ&ロードを使い、同じ敵に「手裏剣乱糸」を10回当ててみて実感できたというだけである。
SFC版と同じく、普通にプレイしている分には気にならない程度の差がある、といったところであろうか。
低レベルクリアやタイムアタックなどの制限プレイで、シビアな数値管理をしなければならない場合は、また別になるだろうが……。

今回の検証は「強藩士へ与えるダメージ量」のみだが、おそらくは忍者など他の敵でも同様のことは起きているだろう。
機会があれば確認するが、とりあえず今回はここまで。



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