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スキルによるダメージ量検討

「攻撃スキルはそれぞれ、どれくらいのダメージを与えられるのか?」
「どのステータスをどれくらい上げると、敵に与えるダメージ量が増えるのか?」
「武器の攻撃力はどの程度影響するのか?」
というような疑問をある程度解決するための検討を行ってみた。
ダメージ量の計算式を算出しようなどというレベルの高いことはやっていないので、キャラクターの装備品を決める際、参考程度にしていただければ幸いである。

まず、SFC版における、ダメージの計算はどうなっていたかについて簡単に述べる。
詳細は世界の合言葉は森部 new window様で解説がある通りなのだが、SFC版ではそれぞれの技に、「使用キャラの依存ステータス(力・体・知・速)」と、「使用キャラの攻撃力に依存するか否か」が設定されていた。
例えばおぼろ丸の「手裏剣乱糸」は、おぼろ丸の「速」の値の1/4が依存ステータスで、武器の攻撃力には依存しない。おぼろ丸が装備する武器は刀であって手裏剣ではない、よって刀を変えても手裏剣の威力は変化しないはず、という理屈なのであろう。
サンダウンの「シングルショット」は、サンダウンのステータスには依存せず、武器の攻撃力が依存する。サンダウンのスキルは大半が武器のみ依存で、「ハリケンショット」に知が、「マルチカウンター」と「マルチカウンター」に速が依存するのみである。
アキラの超能力技の大半は知依存で武器の攻撃力が関わらない一方で、「ローキック」など物理的な攻撃は力依存かつ武器の攻撃力依存である。
というように、大抵は技のイメージからの依存値が設定されているのだが、高原の「フランケン・シュタイナー」「トルネードプレス」が知依存、「烈風正拳突き」が速依存といった、ややわかりにくい依存値も存在している。

もちろん、実際のダメージ量計算には、敵のステータスや向き補正など多数の要素が関係するが、ここでは単純に、味方キャラ側のステータスについてのみ考えてみることとする。
(何しろ、リメイク版においては敵のステータスのうちわかるのはHPしかないので、敵のステータスを計算に入れたくてもどうしようもない。最終編で一部の味方キャラとの戦闘があるので、もしかするとそちらで色々と計算可能かもしれないが)

一方で、リメイク版においてはゲーム内ヘルプにて、
物攻は「物理的なスキルのダメージに影響」
物防は「頑丈さを活かしたスキルのダメージや物理的なスキルを受けた時のダメージを軽減」
特攻は「特殊なスキルのダメージに影響」
素早さは「素早さを活かしたスキルのダメージや行動の速さに影響」
と説明があることから、

  • 力依存→物攻依存
  • 体依存→物防依存
  • 知依存→特攻依存
  • 速依存→素早さ依存

のように変更されたのではないか。
また、
攻撃は「武器による攻撃力 ほぼ全てのダメージに影響」
と説明されていることから、武器による攻撃力が関係しないスキルも存在しているのではないか? とも考えられる。
そしておそらく、「特防」の値は、スキルのダメージ量計算には関わらないだろう。

ここでとりあえず、「各スキルの依存値はおそらくSFC版から大半が引き継がれているだろう」と仮定する。
実際、リメイク版をプレイしてみて、特攻が一気に+50される「モノな石」を装備すると、SFC版で知依存だったスキルの威力が上がるといったことは、筆者も確認している。
とはいえ、キャラのステータスを装備品で変更させつつ、ダメージ量を実際に記録しなければ、結論は出せない。
以下、ダメージ量を記録しやすいスキルに絞って、データを取ってみることにした。
ダメージ量を記録しやすいスキルというのは、「待機時間がない」「敵を回転させたり、状態異常や行動異常にしない」など、単純にダメージを与えるだけのスキルである。回転させると向き補正が入るだろうから、ダメージ量の計測には適していない(毎回確実に回してくれるのなら別だが、回転できないこともあるため、同条件下での計測には不向き)。
ダメージ量計測は、

  1. そのキャラの(基本的には)一番攻撃力の低い武器のみ装備
  2. 1.の状態で物攻のみ上がる装備品を装備
  3. 1.の状態で物防のみ上がる装備品を装備
  4. 1.の状態で特攻のみ上がる装備品を装備
  5. 1.の状態で素早さのみ上がる装備品を装備
  6. そのキャラの最強武器のみ装備、または攻撃力のみ上がる装備のみ装備

以上の6種類の条件で行い、1.の結果と2.~6.の結果を比較することで、各スキルのダメージ量がどのステータスに影響されているか、武器の攻撃力の影響があるかないか、が判断できるだろう。
ここでは単純に「影響があるかどうか」のみの判断を行うため、各ステータスは「できる限り大幅に上げる」ことにする。
(例えば特攻を1だけ上げて、特攻50の時のダメージ量と、特攻51の時のダメージ量を比較しても、差はほとんどわからないだろう。「モノな石」の特攻+50などで一気にステータスを上げれば、目に見える違いが出るはずである)

また、ダメージを与える相手も毎回同じでなければならないので、最終編の鍵のダンジョンの「影」で統一する。
つまり、「影」が毎回同じステータスで出現するという仮定の元ということになる。敵は同じ名前なら、HPは常に同一であるが、他のステータスについてはランダムでブレがあるかどうかといったことは不明である。とはいえ、少なくともSFC版ではブレはなく同じステータスで登場するため、ここでは「影という名前の敵は毎回同じステータスで出現する」と仮定させていただく。

もちろん、スキルを撃つ位置も統一する(基本は影の真正面1マスか2マス位置)。
平均値を出すために、「同じスキルを同じ位置から同じ敵に向けてひたすら撃つ」ことになるわけであるが、回数についてはひとまず、基本は「20回」で統一することにする。必要なら増やしたり減らしたりする。
20回にした理由は、本作におけるダメージ量がランダムでブレる関係なのだが、そちらについては別項で詳細を述べる。

味方キャラだが、味方側がレベルアップしてステータスが上昇していくと面倒なので(毎回データをロードすれば良いだけではあるが……)、レベルを99まで上げてしまったデータを使っている。つまりステータスはオール99である(高原の特攻などは除く)。命中が99なのでほとんどのスキルがミスしないという利点もある。

ステータスの調整は以下の装備品で行った。
物攻:「王者のキバ」(+20)、「ガツングローブ」(+16)
物防:「フライパン」(+10)、「100Vレーザー」を始めとしたメカ用装備(+5)
特攻:「モノな石」(+50)、「印籠」(+30)、「美しい帯」(+20)、「極楽鳥の尾バネ」(+15)
素早さ:「コーラのビン」(+30)、「月ウサギの足」(+10)
※「ガツングローブ」で防御が+5など、一部装備で防御の値も上がってしまうが、防御の値はダメージ量には関わらないと仮定しておく。
また、キューブのように初期装備がない(そして装備が外せない)、サンダウンのように初期装備の性能がそこそこ高い場合については、武器に「虎の小手」(攻撃+0、物攻+3)も採用している。
素早さが低いキューブは足装備の「キリンの靴」(素早さ+20、防御+4)も使用。

6種類の条件×20回なので、スキルひとつにつき、120回分データを取ることになる……。
なかなか途方もない作業であるから、現状では検討するスキルをかなり絞っているが、ご了承願いたい。
(機会があれば増やしていきたい)
次ページでは実際の測定結果を紹介していく。



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