基礎知識
戦闘関係
行動異常は、敵専用の状態異常である。
敵専用の状態異常なので、味方キャラが行動異常にかかることはない。
ただし、味方キャラが敵として登場する時(最終編で、仲間にする時に戦闘になるポゴやおぼろ丸など)の戦闘では、行動異常にさせることができる。
なので厳密に言えば「プレイヤーが操作するキャラは行動異常にかかることはない」。
行動異常はSFC版の頃から隠し要素として存在していたが、リメイク版にてプレイヤーにもわかる形で表示されるようになった。
またSFC版よりも行動異常の仕様が整理され、わかりやすくなっている(SFC版では16種類存在していたが、リメイク版で6種類に整理された)。
リメイク版が初プレイなら、「行動異常は状態異常の一種なのに、なぜ別要素として分けられているのか」と思われるかもしれないが、上記の通り、SFC版では隠し要素だったという経緯があることや、敵専用で味方がかかることのない状態異常であることから、分けてあるのだろうと思われる。
また、後述するが、状態異常は何らかのスキルの追加効果として発生することに対し、行動異常はそれ以外の特殊な状況でも発生することがある。
行動異常は、以下の6種類存在し、それぞれの行動異常にできるスキルや攻撃アイテムが存在する。
また、それぞれに専用アイコンが存在している。
以下、説明はゲーム内のバトルヘルプから引用している。
カッコ内は該当スキルを発生させることができる攻撃アイテム名。
魅了状態にできるスキルはアキラの「マザーイメージ」のみであるが、魅了状態になった敵は必ずしもアキラに接近していく訳ではなく、一番近くに居る味方キャラへ接近していくようである。
SFC版と同じく、通常は一切移動しないように設定されている敵を魅了状態にすると移動するようにもなっている。ラストボスのピュアオディオなどが該当。
また、上の通りゲーム内には「一切攻撃ができない状態になる」という説明があるのだが、例外として、チャージゲージ中に敵を魅了状態にした時はチャージゲージが満タンになった時にチャージスキルを撃ってくる。また反撃も行ってくる。
このページの下、「魅了」状態の注意点も参照のこと。
上には敵の移動や向き(回転)に異常が起こる行動異常があるが、これらと、行動不能になる麻痺や眠りなどの状態異常が同時発生した場合は、移動が不可能になるため、移動に関する異常は起こらない。
行動異常の大半は、味方にとって有利な状況を作ることができるが、興奮状態には注意する必要がある。
上の説明の通り、興奮状態の敵は、特定のスキルで繰り返し攻撃してくるようになる。
この特定のスキルが、威力が高いスキルや、厄介な効果付きのスキル(状態異常、ステータスダウン等)だと、逆に味方がピンチになりがちである。
一方で、敵が使ってくるスキルが絞られるということは、使用スキル次第で攻撃の向き・射程が限定されることにもなる。
例えばある敵が興奮状態の時、正面方向にしか出せないスキルしか使えなくなるのであったら、その敵の側面や背面は安全地帯になり、興奮状態にしつつ側面・背面を狙うことで安全に撃破することもできる。
行動異常が味方のスキルの追加効果として発動する場合は、スキルの説明にもその旨記されているが、それ以外でも行動異常が発生することがある。
プレイしていて、
「スキル自体には行動異常の効果がついていないのに、攻撃したら敵が行動異常になった」
「敵が攻撃した後に敵自身が行動異常になった」
という状況に出くわすこともあるだろう。
行動異常は以下の状況で発生する。
2. と3. はゲーム内で明確な説明がないが、SFC版でも隠し要素として存在していた仕様であり、リメイク版でも引き続き存在している。
3. は、SFC版における「カウンター行動異常」という隠しパラメータと同一と思われる。つまりリメイク版でも、全ての敵に、「各属性のスキルを受けた時に発生する行動異常」が設定されていると思われる。
一方で、リメイク版にて新たに「特定の属性のスキルをくらうと行動異常になる」設定が加わった敵も存在している。
現代編の敵は、上の例3に記した森部しか属性攻撃に対する行動異常が発生しなかったが、リメイク版ではエイジャに足属性攻撃を当てると恐怖状態、ナムキャットに締属性攻撃を当てると目眩状態、マックス・モーガンに手属性攻撃を当てると興奮状態、ジャッキー・イヤウケアに土属性攻撃(つまり覚えたばかりの「大激怒岩盤割り」)を当てると興奮状態になる。
また、西部編ラストバトルで攻撃アイテムの「ダイナマイト」(火属性攻撃の「紅蓮の炎」が発生)を使うと、パイク兄弟、ダットン兄弟、デュオ・デ・チコが混乱状態になるが、「紅蓮の炎」自体には行動異常を発生させる効果は付いていないので、敵側に「火属性の攻撃をくらうと混乱状態になる」設定が存在していると思われるのだが、SFC版ではデュオ・デ・チコにのみ設定されていただけで、パイク兄弟とダットン兄弟には「火属性の攻撃をくらうと混乱状態になる」設定がなかった。
よって、パイク兄弟とダットン兄弟については、リメイク版にて新たに設定されたのだろうと推測できる。
この仕様のおかげで、西部編ラストバトルで大量の敵を相手にしなければならなくなっても、「ダイナマイト」を使うことで有利に立ち回れるため、15人撃破の難易度がSFC版よりも下がっている。
なお、スクウェア・エニックス サポートセンターの以下のFAQは、上に記した現象の解説だと思われる。
スキル説明に記載のない状態異常になりました - スクウェア・エニックス サポートセンター
エネミーによっては、攻撃により特殊な状態異常が発生することがあります。
詳細はTIPSの「敵の行動異常効果」を参照してください。
状態異常の場合、SFC版において、敵には状態異常を完全無効化する設定がされている場合があった(リメイク版でもおそらく、同じように設定されていると思われる)。
だが行動異常については「行動異常は必ず発生する」「その代わりに敵の行動前に一定確率で回復する」「BREAK DOWN対象の敵だと敵味方誰かのターンが回ってきた時に必ず回復する」という仕様が存在していた。
最後の「BREAK DOWN対象の敵だと敵味方誰かのターンが回ってきた時に必ず回復する」は、リメイク版にて撤廃された。
だが、それ以外についてはリメイク版でどのような仕様なのか、また、行動異常を無効化できる敵がいるのかどうかは不明である。
ただし、SFC版において状態異常が一切効かないヘッドプラッカーや、凶悪ザコ敵・ヘリオスハウントに対して、リメイク版では「ヘブンイメージ」で停止状態にすることが可能であることを確認しているので、「状態異常は全く効かないが、行動異常は効く」敵が存在している可能性は非常に高い。
なお、リメイク版で追加された最終編のラストバトルでは、行動異常が発生しない可能性がある。筆者は周回プレイで何度か戦ってみているが、行動異常にできたことがない。
効くかどうかとは別の、行動異常発生確率については不明な点が多い。
SFC版では高確率で行動異常にできた敵に対し、明らかに成功率が下がっていると思われる敵もいる。
中世編のフェミノフォビア戦で、「デモンズクラウド」を使い行動異常を誘発する作戦は、リメイク版では行動異常の発生率が下がっているため確実性に欠ける(代わりに、行動順の仕様変更などのおかげで「デモンズクラウド」に頼らなくても勝てる相手になっている)。
▶戦闘システムの調査 > 状態異常にするステータスで「ホーリーイメージ」で発生する「停止」状態について調べた結果、発生確率自体が低めで、ステータスに依存しているのかどうかも不明瞭であった(要検証)。
一方で、「特定の属性のスキルをくらうと行動異常になる」場合は、ほぼ確実に行動異常が発生するようである。
上の例で上げた、SF編のコスモストローラや、現代編の敵のほとんど、西部編ラストバトルのディオの部下たちなどが該当。
SFC版における「BREAK DOWN対象の敵だと敵味方誰かのターンが回ってきた時に必ず行動異常が回復する」仕様は、リメイク版では撤廃されている。
特に行動異常を発生させるスキルを多く所持するアキラにとっては、BREAK DOWN可能な戦闘が多い近未来編でも行動異常が通用するようになり、有利に戦える。
ボス敵のみならずラストボスでも行動異常にすることが可能で、SFC版でできた「ピュアオディオに『モノな石』や『ウホホマスク』を使って行動異常にすると『セントアリシア』しか使わなくなる」という状況は、リメイク版でも再現できる。つまりピュアオディオは興奮状態にできる。また「マザーイメージ」で魅了状態にしたり、「ホーリーイメージ」で停止状態にすることも可能。
「マザーイメージ」でのみ発生する「魅了」状態だが、ゲーム内の説明では「魅了され敵に近づいていくが、一切の技が使えなくなる」とある。
だが実は、敵の防御関係のステータスの値が上がる、あるいはダメージ量が減少する効果もあるようである。
下スクリーンショットを見ていただきたい。
同じスキルを同じ敵に向けて使った時、「魅了」状態だとダメージが減少するのである。
本作では、スキルのダメージ量には平均値から±20%程度ブレが生じることが検証から判明しているのだが(詳細は▶スキル > スキルによるダメージ量・回復量)、明らかにこのブレを越えた減少幅である。
(「マザーイメージ」には命中・回避ダウン効果もあるが、命中・回避の値の変化はダメージ量には影響がない、という前提で見ていただきたい)
この現象は「魅了」状態なら、どのスキルを当てても、どの敵に対しても発生するようである(要検証)。
上のスクリーンショットの例はかなり極端な方で、減少幅、あるいは減少率はそこそこ差があるようである。
実際にどういう処理が行われているのかは不明であるが、▶ステータスの「攻撃」の項目で触れている通り、本作では「武器の攻撃力」に依存するスキルのダメージ量は、
(「敵味方のステータス及び、スキルに設定された係数から計算した値」+「攻撃力」)×乱数
のような計算式から求められている、つまり「武器の攻撃力の値がそのままダメージ量として加算されている」という可能性が考えられる。
魅了状態だと、「敵味方のステータス及び、スキルに設定された係数から計算した値」が極端に減少し、「攻撃力」によるダメージ量はそのままとなるため、スキルによりダメージ量の減少幅が変わる、という可能性が考えられるが、あくまでも仮定である。
ただ、この理由なら、武器の攻撃力に依存しない「コーラのビン」での攻撃や「手裏剣乱糸」でのダメージ量が0にされる理由が一応は説明ができる。
「魅了」状態とそうでない時をきちんと比較するプレイヤーもさほど居ないだろうし、元々±20%のダメージブレがあるため、このことに気づかないプレイヤーもそれなりにいるのではないかと思われる。
「魅了」状態は敵が一切攻撃できなくなるので強力ではあるが、上のような仕様があるため、敵が大量に出現した時の足止めに使うのが効果的ということになるのだろうか。
ゲーム内で説明がある通り、「目眩」状態は「一部のスキルが使用できなくなる」、「興奮」状態は「近くの敵に決まった攻撃をする」ようになる。
ではその「一部のスキル」や「決まった攻撃」とは何なのかだが、おそらくはSFC版とほぼ同じ仕様になっていると思われる。
というのは、上に記した通りに、ピュアオディオを興奮状態にすると「セントアリシア」しか使わなくなる、という仕様はSFC版と共通だからである。
SFC版の行動異常の解説は以下ウェブサイト様を参照していただきたい。
スキル > 敵が使うスキルで説明した通り、敵が使用するスキルは一部除き最大4種類である。
SFC版では、内部データとして、この4種類のスキルに番号が振ってあった。
例えばピュアオディオなら番号順に「セントアリシア」「ライブイレイザー」「デスパースペース」「キャンセラレイ」である。
そしてSFC版の場合、『モノな石』や『ウホホマスク』を使って行動異常になる(SFC版だと「行動異常F」)と、「番号2~4の技が使用不可能になる」という状態になるので、ピュアオディオだったら番号1の「セントアリシア」しか使わなくなるのである。
つまり、リメイク版でもSFC版と同じように、敵の使用スキルには番号が振ってあり、「興奮」など一部の行動異常によって、その番号に対応したスキルが使用不可能になるのではないか、と推測できる。おそらくはSFC版の番号の設定がそのままリメイク版でも引き継がれているのだろう。
なお、「目眩」状態はSFC版での「行動異常A」にあたり、「番号1~3の技が使用不可能になる」ように設定されている。
また、このページの最初に「行動異常はSFC版では16種類存在していたが、リメイク版で6種類に整理された」と書いたが、ではなくなった10種類はどうなったのかについても筆者の推測を少し記しておく。あくまでも推測である。
(行動異常0は、行動異常を正常に戻すという特殊な効果なので以下では除外)
まず、行動異常の中に「使用相手のレベルを変動させる」技が幾つか存在しており(行動異常1~4)、「ホローポイント弾」「ヘルイメージ」「ノイズストリーム」などが該当するが、これらについては、レベルを下げる場合、リメイク版において「命中・回避ダウン」のデバフ効果として残されている。SFC版ではレベルの値が命中と回避の計算に使用されていたためだろう。
次に、「使うと使用する技に制限がかかる」技だが(行動異常5~7)、これらはSFC版では敵の行動の制御に使われており、例えば西部編ラストボスのディオが「ガトリング射撃」を使うと行動異常5になり、行動異常が解除されるまでは「ガトリング射撃」を使用しない、という制御を行うことにより、「ガトリング射撃」を連射しまくることがないように設定されていた。
この仕様についてはリメイク版においてどうなったのか不明だが、おそらく行動異常以外の方法で敵の行動を制御するように変更になったのではないかと思われる。
リメイク版では、敵の中にはHPが減少してから使用頻度があがるスキルがあったり、行動ゲージやチャージスキルの仕様が加わったことで全く違う行動パターンになった敵も存在しているためである。
一方、行動異常5~7の一部は、「興奮」など別の行動異常に引き継がれた可能性もある。
行動異常6(使用技が2種類に限定される)についてだが、これはSFC版において現代編で森部生士を背面から攻撃した時の行動異常として有名である。
行動異常6によって、森部は「通打」と「あびせげり」の2種類しか使わなくなるように制御されていた。
一方、リメイク版では、森部を背面から攻撃すると興奮状態になり、「通打」と「浴びせ蹴り」の2種類しか使わなくなる。
ピュアオディオは興奮状態になるとスキルが1種類のみになる、と先に記したが、これは行動異常Fの効果がそのまま引き継がれているためと思われる。
森部の場合は、興奮状態が行動異常6の効果から引き継がれている、ということになる。
最後に、行動異常8~Fの8パターンがそれぞれ、本作における行動異常6種類にまとめられたのだろう、と推測される。
上で説明した「魅了」状態における敵の被ダメージ量低下だが、SFC版の「魅了」に当たる行動異常9に、敵の防御が上がるとかダメージ量を低減するという効果はない。レベル変動+2の効果はあるので、一応敵を少しだけ強化する効果はあるが、これによりリメイク版ほど敵が固くなるということはない。
リメイク版では「興奮」状態に当たる行動異常Fにもレベル変動+3の効果があり、使用技が1種類に限定されるが、リメイク版において、筆者が「ウホホマスク」使用で敵を「興奮」状態にして検討してみたところ、「興奮」状態では敵の防御が上がる効果は見られない。
なぜだかよくわからないが、「魅了」にだけ敵の被ダメージ量低下という謎の効果が付いてしまったようである。