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スキルによるダメージ量のブレ検討

スキルでダメージを与えると、同じ条件でもダメージ量にブレが生じる、というのは普通にプレイしていてもわかる。
特に多段ヒットするスキルの場合、一瞬とはいえ、1Hit毎のダメージ量が表示され、それらが全て同値ではないことから、「1Hit毎に命中判定とダメージ量が計算され、更に、ダメージ量にはランダムでのブレが生じている」ということは簡単に推測ができる。
では、このブレはどの程度なのだろうか?

まず、SFC版でのダメージ量計算について簡単に述べる。
データ解析サイト(世界の合言葉は森部 new window様)によれば、単発のダメージ量計算は以下のように定義されている。

(((min(max((8+技LV+自LV-敵LV),1),24)*LV差係数/8+(自能力値*係数))*((255-敵能力値)/2)/256)*2+攻撃力)*乱数(1~1.25)
(乱数幅は厳密には単発ダメージ*(0~63)/256)

難しい話は横においておくが、重要なのは最後に乱数を掛け算することによって、ダメージ量にブレが生じている、ということである。
その乱数が1から1.25の間でランダム、厳密には「256/256」から「319/256」の間でランダムなので、例えばダメージ量の最小値は100で最大値は125、となる。
平均値からのブレが、大雑把に±11%程度と考えれば良い。

というのがSFC版での話なのだが、今回、依存ステータスを調査している最中に、「リメイク版でのダメージ量のブレは明らかに±11%よりも高い」と確信した。
SFC版では、上のように乱数の計算がなされるため、最大値を最小値で割った値が「1.25」になる、ということになる。
では同じように、今回、同じ条件で同じスキルを出し、20回計測して出た、スキルによるダメージ量を「最大値÷最小値」で計算してみよう。
「20回の計測で、必ずしも最大値と最小値を引けるとは限らない」という点だけ心に留めた上で、以下のデータを見ていただきたい。
(表記は簡略化しているので、実データはlal_skill - Googleスプレッドシート new windowを参照のこと)

忍び斬り
ステータス兼定(+8)物攻135物防134特攻150素早さ150村正(+40)
最大132142131132146172
最小90999390102116
最大÷最小1.471.431.411.471.431.48
烈風正拳突き
ステータスバンデージ(+5)物攻135物防134特攻150素早さ150妙子のパンチ(+16)
最大175195173176203189
最小121133120122137129
最大÷最小1.451.471.441.441.481.47
シングルショット
ステータス虎の小手(+0)物攻138物防134特攻150素早さ15044マグナム(+29)
最大103113102100115142
最小727571698295
最大÷最小1.431.511.441.451.401.49

これらは今回の検証の一部でしかないが、どれもこれも、「最大÷最小」の値が1.4~1.5あたりで収まっているのがおわかりいただけるだろう。
つまり、最小値を1.4~1.5倍すると最大値となる程度のブレが生じているのである。
『「烈風正拳突き」を同じ条件で同じ敵に撃ってみたら、ダメージ量が137から203までランダムで差がある』
と書けば、「そんなに差があるのか!」と改めてびっくりするのではなかろうか。
しかもこれは20回の計測で出た値であり、上の値が本当に最大値と最小値か保証はできない。試行回数をもっと増やせば、最大値と最小値が更新される可能性がある。つまり、最大値はより大きく、最小値はより小さい可能性がある。
よって、今回の「最大÷最小が1.4~1.5」という計算結果は、試行回数を増やすことにより、おそらくほぼ1.5に収束するのではないか……と、筆者は予測している。
つまり、平均値からのブレが、大雑把に±20%程度ということである。

筆者の予測は横においておくとしても、「SFC版におけるダメージ量のブレより、リメイク版におけるダメージ量のブレが大きい」ことは確実であろう。
普通にプレイする分にはさほど困ることはないだろうが、例えば何らかの制限プレイ、低レベルクリアやタイムアタックなどで頑張ってみたいという場合は、ダメージ量の幅が大きいと少々困ることになるかもしれない(とはいえ、そこを楽しんでこその制限プレイかもしれないが)。

普通にプレイする場合においても、例えば、功夫編のラストバトル、「トドメの一撃は旋牙連山拳で決めたい」と考えるプレイヤーは多いだろう。
当攻略では「この時に出る旋牙連山拳のダメージ量はだいたい300程度」と記しているのだが、「最小値×1.5が最大値」であるとしたら、「ダメージ量は最小値だと240程度、最大値だと360程度、平均してだいたい300程度」ということになる。
このため、「旋牙連山拳で確実にトドメを刺したいのなら、オディワン・リーのHPが200を切ってから」と考えておけば、まあまあ安心であろうか。

なお、試行回数を増やそうという場合は「手裏剣乱糸」のような多段ヒットするスキルだと、一度スキルを使えばHit回数分のデータが取れるので、少しは信頼性の高いデータが出せるはず。
ということで、「手裏剣乱糸」を30回、つまり6Hit×30=180回試行してみた結果がこちら。

手裏剣乱糸(単発ダメージ)
ステータス兼定(+8)素早さ150
最大5156
最小3437
最大÷最小1.501.51

かなり1.5に近い数値になっていることがわかる。

なお、「手裏剣乱糸」は実際には6Hit分の合計ダメージを敵に与えることになるのだが、合計ダメージの最大÷最小を計算しても1.2程度となる。
この理由は簡単で、「単発ダメージを6回分足し算」は、「(単発ダメージ6回分の平均値)×6」と同値だからである。
(小学校で習う、平均値の計算方法を思い出していただきたい)
単発ダメージ6回の平均の値を出しているのだから、単発ダメージ1回よりブレの割合が小さくなるのは当然なのである。
もちろん、今回の検証で「手裏剣乱糸」が全て6Hitしてくれたために、ブレが小さくなったというだけであり、全てHitしてくれない場合はブレがかなり大きくなるはずである。



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